長野市にある日本画専門の美術館、水野美術館のコレクションから、
横山大観の初期の代表作「無我」をはじめ、約六〇点の名品をご紹介します。
明治期、日本美術は大きな変革期を迎えます。明治維新による文明開化のなか、絵画の世界にも西洋化の波が押し寄せました。この状況のなかで、日本美術の衰退を危惧したフェノロサと岡倉天心を中心に、新しい日本画の創造の道が探られました。なかでも、橋本雅邦、横山大観、菱田春草らによる日本美術院の活動はめざましいものがあり、その流れは現在にまで続いています。また、そのなかにあって、美人画の上村松園、伊東深水、戦後の日本画壇をリードした児玉希望、奥田元宋、髙山辰雄、平山郁夫らなど、日本を代表する作家の活動も見逃すことはできません。本展では、これらに代表される二五作家の作品を一堂に展示し、近代に華ひらいた日本画の、現代へと続く美の系譜をたどります。日本画壇を代表する名品の数々を、心ゆくまでご堪能下さい。