画家にとって旅は、新たなモチーフを求めたり自分の内面を見つめ直したりするうえで重要な役割を果たしています。特に近年の日本画は, 取材地がアジアやヨーロッパなど世界各地に広がっており、画家はそこで見た風景や人々の暮らしに心を動かされて作品に描いてきました。
作品に描かれるテーマやモチーフは様々ですが、どれも画家自身の心を通して表現された旅の風景です。こうした作品を見ると、画家一人一人の想いが感じられたり、描かれた国の歴史や風土、人々の生活を想像したりと、自分の記憶の中の情景と重ね合せながら旅を追体験しているようです。本展は、茨城県が所蔵する作品の中から海外を描いた日本画18点を展示し、画家一人一人の視点を通して描かれた異国の情景の魅力を紹介します。