青森公立大学国際芸術センター青森では、2013年度のプログラムのテーマを「Exchange―種を植える」としました。アーティスト・イン・レジデンス(AIR)では、アーティストが一定期間滞在制作を行うことで、観光や展覧会といった短期間の滞在では経験し得ない体験をし、それが制作の展開や深化につながることが期待されます。一方、受け入れる側にとっても、制作活動を行うアーティストを通じ、新たな経験や思考と接することが期待されます。それは単なる人的交流や異文化交流以上に、より深い所で起こる接触であり、だからこそ互いの内に次の「創造」の種子が植え付けられ、それがどこかで芽吹くことが期待されるのでしょう。いわばそれは互いの価値観や常識を相対化しうる契機を孕んだ邂逅といえます。AIRでは交流ということがその前提にありますが、それを意識化することで何ができるのか、その先に何があるのかということについて、ここでもう一度考え、単なる交流ではなく創造的な交換をテーマとし、プログラムを展開していきます。