悠久の歴史ロマンにより紡がれてきた大いなる旅路・シルクロード。緑の大地、砂漠の荒野、文化の香り漂う街々、その旅路の風景や人々の営みを描き続けてきた一人の日本人画家・平山郁夫氏(1930-2009)。平山氏のシルクロード各地を巡る取材旅行は、1968年にアフガニスタンを初めて訪れて以来、40年間に百数十回を越える壮大なものでした。シルクロードへの情熱は、氏のライフワークとして、生涯その旅路を描き続けることになります。また、取材で訪れた際に垣間見た戦争や災害により失われてゆくシルクロード各地の文化遺産を守るべく、その保護活動にも尽力します。本展覧会では、平山氏の画業を改めて振り返るとともに、氏が取り組まれてきた文化遺産保護活動を紹介するものです。シルクロードの終着地・日本を出発して東から西へと中国、中央アジア、西アジア、そしてヨーロッパへ続く道程を、氏の作品を通して展望します。また、平山郁夫シルクロード美術館が所蔵する中央アジアおよび西アジアの文化財を併せて公開し、平山氏の足跡とともにシルクロードの旅路を体感していただきます。