美術館のコレクションは、どのように作られるのでしょうか?みなさまは、どういったイメージをお持ちですか?
美術館は作品や資料の収集保管・調査研究・展示を大きな柱としていますから、「どのような作品を収集するか」は、とても大事な仕事のひとつです。現在、世田谷美術館には、アンリ・ルソーをはじめとする素朴派や世田谷ゆかりの作家の作品など、およそ15,000点のバラエティに富む作品が収蔵されています。縁あって世田谷美術館に収蔵された作品は、開設準備室当時までさかのぼれば、約30年間にわたる購入やご寄贈によって集められたものです。それらの一つ一つには、作家の想いがこめらているだけではなく、当館に収蔵されるより前、旧蔵者の方々と作品との物語も寄り添っていると言えるでしょう。たとえば、娘の誕生を祝って作家自ら描いた作品(安孫子荻聲《長女誕生》)をご寄贈くださったのは、まさにかつてそのモデルとなった方でした。
本展「気になる、こんどの収蔵品」では、2008年度から2012年度までの過去5年間に収蔵された作品をご紹介し、ご来場のみなさまに、そっと、それぞれの作品に寄り添うさまざまな物語もお伝えいたします。
また、小コーナーでは、「実験工房展―戦後芸術を切り拓く」(2013年11月23日~2014年1月26日) に関連して、大辻清司、北代省三、駒井哲郎、山口勝弘の作品もご紹介します。