写真家・早田雄二 (本名=橘雄二郎、1916-1995) は東京都に生まれ、少年時代からカメラを持ち歩き、スキーにもよく出かけたモダンな青年でした。明治学院中等部卒業後、当時グラビア印刷では日本一だった神戸のヘリオプロセス・グラビア印刷会社に入社。写真複写、修正、製版、印刷などの技術を学びます。
1937年、兄橘弘一郎が社長を務める映画世界社写真部に入社、カメラマンとして活動をはじめます。映画世界社は『映画ファン』『映画の友』誌を発行していました。出征するまでの6年間、映画スターたちをカメラに収め続けました。1946年、早田は捕虜生活を経て復員します。この年に『映画ファン』が復刊、娯楽を求める人々に支えられ、早田の仕事も多忙を極めていきます。早田が仕事を始めたころは撮影所での撮影がほとんどでしたがその後、映画世界社が独自のスタジオを持つことにより、早田の仕事もスタジオ・ポートレートが中心となっていきました。日本の映画振興に支えられ、早田は映画俳優・女優を撮り続けました。
本展では往年の映画女優を中心に約130点の写真を展示公開します。懐かしい、映画全盛の時代を思い出しながら、早田雄二の写真を楽しんでください。