榎木孝明は、俳優としての活躍に加え、水彩画家としても高い評価を得ています。幼少の頃から絵を好み、武蔵野美術大学に学びながら、次第に役者の道を志し、現在の活動に結びついています。描かれる作品には、優しさと透明感にあふれる四季折々の風景が表現され、そこから感じられる風の音、土地の香りが観る者の共感を呼び、癒してくれる魅力を持っています。彼は、旅をしている中で、ふと心に響いた景観に絵筆を走らせます。目の前の景色を写し取るだけではなく、時の流れや空気感までを見事に捉えているため、自然と水彩画の世界へ入り込んでいくことができます。
本展覧会のために描かれた最新作「日本晴れ」(静岡・日本平) をはじめ、榎木孝明が描いた数々の水彩画の中から、彼の俳優としての代表作ともいえる「浅見光彦」が巡った日本の各地、日本の「世界遺産」を描いた景色、そしてアジアからヨーロッパまで幅広い地域に及ぶ海外の風景まで、約100点をご紹介いたします。