明治維新以後、西洋文化の急速な流入により洋画に押されていた日本画壇は、フェノロサの登場により新しい日本画の創造へと進んでいきました。この流れは狩野芳崖、橋本雅邦を経て岡倉天心に受け継がれ、近代日本美術史に大きな足跡を残すことになる日本美術院の設立へとつながり、横山大観、下村観山など多くの画家を輩出していきました。また、京都画壇では、早くから京都府画学校を設立し、新しい日本画創造の基盤を作るなど、竹内栖鳳、上村松園などの画家を中心に独自の発展を遂げていきました。本展覧会は、田辺市制施行60周年を記念して、財団法人 五島美術館が所蔵する近代日本画コレクションにより、明治以降の近代日本画の流れを、近代日本画壇を中心で支えてきた作家の作品によって展覧いたします。