『最初のひとり/最後のひとり』は、私たちがただひとりであるとき、作家として何をするのかをテーマにした展覧会です。
私たちは、成安造形大学3年生で現代アートを学んでいます。しかし、その中で表現することにためらいを感じ、作家としての在り方に悩みを持つようになりました。
私たちは作品を発表するとき、鑑賞者に良い評価をもらいたいという思いがあり、他人の批判を気にして表現してしまいます。そして、自由に表現してしまうと誰にも見てもらえないのでは、というジレンマを抱えました。
しかし、作家は常に評価や批判を受けるなかで、制作に向き合い続けなければなりません。そういう意味で今の私たちは作家とは呼べません。私たちは作家になるために、自分以外の人、鑑賞者、発表の場、それらがまったく干渉しない状況を想定し、一度各々が自らの制作に向き合い、そして外部へ作家として発表する必要があると感じました。
今回の展覧会では、もし今ある社会や美術が消滅する、あるいはその状況が成立する前を想定し、自身の制作、展示、発表にどのような意義があるのか、純粋な作家の表現について考えたいと思います。