建仁寺は、鎌倉時代のはじめ、中国から臨済宗を伝えた栄西禅師が、鎌倉幕府の二代将軍源頼家の帰依を受けて、京都東山の地に開いた、京都で最も古い禅寺です。寺号は創建された建仁2年(1202)の年号を土御門天皇から賜ったものです。この特別展覧会は、平成14年が開創の年からちょうど800年にあたるのを記念して開催するものです。
建仁寺といえば、俵屋宗達が描いた風神雷神図屏風がとても有名ですが、かつて建仁寺本坊や塔頭(禅寺内に設けられている子院)の一つ禅居庵の方丈を飾っていた、桃山時代を代表する画家・海北友松の手になる水墨画の障壁画群も忘れることはできません。また中世には建仁寺では多くの名僧が住持をつとめ、「五山文学」と呼ばれる詩文や学問の中心となっていました。この特別展覧会では、従来から知られる建仁寺の名宝だけでなく、平成11年から当館が継続的に実施している建仁寺と塔頭の調査によって新たに見出された貴重な文化財を加え、京都最古の禅寺・建仁寺の歴史、文化を多面的に紹介します。