この展覧会は、美術館という施設の機能を多くの方に紹介することを目的として企画されました。そこで、今回は特別に、展示室の中にある倉庫や機械室の扉を開放します。作品を運ぶエレベーターや巨大なエアコンなど、普段は見ることのできない“展示室の裏側”をのぞいてみてください。
また、希望者には音声ガイドシステムを貸し出しますので、展示室の仕組みについて詳しい解説を聞いていただくことができます。
「絵を展示する高さはどうやって決めるの?」
「展示室が他の部屋よりも暗いのはなぜ?」
観客の皆さんからしばしば寄せられるこのような質問に、資料を交えながらお答えします。作品をたくさんの人に楽しんで見てもらうため、そして大切な宝物として守っていくために考えられた様々な工夫に気づかれることでしょう。また、このコーナーではミニチュアの展示室を用意し、展覧会づくりを疑似体験していただきます。
美術館で開催される展覧会の準備をするのは学芸員と呼ばれる職員で、この文章を書いている私もそのひとりです。しかし、学芸員が皆さんの前に姿を見せる機会はあまり多くありません。そこで、この展覧会では、私たち学芸員が展示室内に机を構え、観客の皆さんをお迎えすることになりました。美術館のことや好きな作品のことなど、いろいろなお話をしませんか。
●出品作品●
《昼と夜》モーリス・エッシャー
《ヘアバンドのジャックリーヌ》パブロ・ピカソ
《馬》モニカ・ルジコワ(10歳・女/スロバキア)
《友情》アドリアナ・コラレス(15歳・女/コスタリカ)