工藤省治氏は、青森県の出身です。札幌美術学院、阿佐ヶ谷美術研究所で絵画を学んだ後、昭和32年、縁あって愛媛県砥部町の梅野製陶所に入所、そのまま砥部に移り住み、梅野製陶所での活動の一方「春秋窯」を開き、絵付けを主にした仕事を手掛けます。
どちらかと言えば無骨な砥部焼きの特徴を生かしつつ、洗練された製品の制作に挑戦し、戦後の砥部における新しい陶磁器制作のリーダーとして、現在の砥部焼きの隆盛に果たした功績を見過ごすことはできません。
また、一方で、あまり知られてはいませんが、陶工の仕事から一歩離れた、平面における絵画やコラージュなどの制作も手掛けています。
本展では、陶磁器作品はもちろん、絵付けのデザイン画、絵画、コラージュなど、約130点により、いわゆる「陶芸家」にとどまらぬ「クラフトデザイナー工藤省治」を紹介します。