挿絵画家・絵本作家として世界中にファンをもつガース・ウィリアムズ。本展では魅力あふれるカース・ウィリアムズの作品の数々を2部構成でご紹介いたします。
【第一部】LITTLE HOUSE(大草原の小さな家)
ローラ・インガルス・ワイルダー(1867年~1957年)作「大草原の小さな家」シリーズは、現在も世界中で愛読されており、NHK教育テレビでドラマとして幾度となく再放送されてきました。この物語は、1870年代、80年代にアメリカの大自然のなかで開拓生活を営んでいた少女ローラとその家族の記録がもとになっています。第1巻の『大きな森の小さな家』は、1932年、ワイルダーが65歳のときに出版され、たちまち大評判となりました。さらに彼女は『農場の少年』『大草原の小さな家』など、亡くなるまでに7冊の本を著しました。
このシリーズにさらなる魅力を与えているのが、ガース・ウィリアムズ(1912年~1996年)の挿絵といえるでしょう。当時の生活の様子が軽快なタッチでいきいきと表現され、登場人物の息づかいまで伝わるようです。新版(1953年発行)の挿絵の依頼を受けたガース・ウィリアムズは、当時健在だった作家を訪ねたり、物語の舞台をくまなく旅したりして、10年もの歳月をかけて挿絵を仕上げました。
第一部では、ローラたちの足跡を、ガース・ウィリアムズの原画約85点を中心に、スケッチ、初版本、資料でたどります。
【第二部】ガース・ウィリアムズ 絵本の世界
ガース・ウィリアムズは、「小さな家」シリーズのほかにもすぐれた挿絵や絵本作品を残しました。第二部では、わが国でも人気の高い「しろいうさぎとくろいうさぎ」「シャーロットのおくりもの」をはじめ、日本未発表の作品を含めた貴重な原画約87点を一堂に公開いたします。愛らしいしぐさやユーモラスな表情をもつ動物たちがふんだんに登場し、見る人の心をなごませてくれます。