この展覧会は、北海道にある画家の記念館(記念室)とその作品を紹介するものです。近年、各地で郷土ゆかりの作家の記念館のオープンが相次いでおり、北海道でも現在、数多くの個人記念美術館(記念室)が設立されています。
遺族からの作品寄贈を受けて、北海道立美術館(三岸好太郎記念室)として1967(昭和42)年に開館した当館は、本道記念館の草分的存在でもあります。(その後、1977年、新たに北海道立三岸好太郎美術館として開館)
今回は、洋画家(居串佳一、木田金次郎、国松登、中村善策、松島正幸、三岸好太郎)を、それぞれの画業を顕彰する記念館・記念室の所蔵作品によって紹介します。この6人は、北海道美術の青春期といえる大正から昭和初期にかけて画家として活動し始めた画家です。郷土に根ざし風土を描き続けた画家、活動場所を外に求めていった画家など、生き方や画風はさまざまですが、生まれ育った風土や環境は、生涯を通じて作品や人生観の底流をなすものとなっています。各地の記念館は、作家の業績を顕彰するとともに、風土との関わりという視点からも地域文化の拠点としての役割を果たすことができます。
各地の記念館(記念室)作品をごらんになって、それぞれの記念館に足を運んだ気分になってみてください。