桑原喜八郎は、大正9年(1920)掛川市高御所に生まれました。画家を志し、東京美術学校(現 東京藝術大学)日本画科に入学するも、昭和18年(1943)学徒出陣により学業の中断を余儀なくされ、昭和20年(1945)ビルマ(現ミャンマー)にて戦死してしまいました。
24歳の若さでした。
戦争によって、日本各地から大志を抱いて上京してきた多くの学友も戦地へとかりだされ、大きな可能性を秘めた若き才能が命を落としました。
当館では、喜八郎の遺した日本画・油絵・デッサン・下絵約50点を遺族から寄贈され収蔵しています。4年間という短い時間の中で制作された彼の作品には大作が多く、人物の何気ない仕草や自然の風景から、画家を志した熱意と清々しい姿勢をかんじとることができます。
戦争を知らない戦後世代が大半となった今、本展覧会をとおして改めて平和への思いを強めていただければ幸いです。