Design Dissolving in Behavior「行為と相即するデザイン」展は、2001年5月から12月まで全8回開催したワークショップ・プログラム「ICC New School 8」の参加者による成果展示となります。
プロダクトデザイナーの深澤直人氏を講師として迎え、日常のさまざまな事象を再認識し、環境にある無限のアイデアをデザインに結び付けることを試みました。
また、当展には2001年2月にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された企画展「workspheres」に招待出品された、深澤氏の作品《Personal Skies》と《A Chair with a Soul Left Behind》(魂の残る椅子)が日本で初めて展示されます。
「行為と相即するデザイン」とは行為に溶け込んでしまったデザインのことです。
このワークショップではまず、環境に溶け込んだ人の「行為」の残像を見ることから始めました。
人は生活のほとんどの行為が、人間の意識によって行なわれていると思いがちですが、行為は無意識の中で行なわれることによって、その自然な流れが保たれます。人は直感的に環境に内包された価値を見つけ、調和しようとします。その連続が「行為」となります。意識を超えた環境とのかかわりは、身体的であり動物的です。身体と環境が溶け合う感覚を共有する自覚が共感をつくります。環境に残った無意識の行為の残像に不偏を見る気がします。そして、それが人間どうしの見えない繋がりを見せています。環境には無限のデザインの要素が溶けています。ここでは、その「知っているのに、気づいていないこと」に気づき、それを具体的なデザインに落とし込もうと試みました。
会場の写真をじっと見て下さい。そこにはあなたが日頃見ているあたりまえの光景があります。あなたの姿や誰かの共通の行為が見えてくるような気がします。