自画像は、多くの画家が一度は手がけるテーマです。それは若き画家が人体表現を研究する際に、最も身近な存在であった自分をモデルに描く初期の頃、あるいは自身の人生における転機に差しかかった時期に描かれる事が多く、その数はごく限られたものです。
描かれた自画像は正面、斜め向き、全身像、半身像といった他にも、絵筆やパレットを持っていたり、ワイングラスや楽器、時には妻やモデルを一緒に描き込んだりと、自己の心の内を描き出しながら、彼らのアトリエの様子や日常生活も垣間見ることができます。
本展では、笠間日動美術館のコレクションの中から佐伯祐三、安井曾太郎、藤田嗣治、パブロ・ピカソらの巨匠から、鴨居玲、筧本生、山形県出身の渡邊榮一など現代画壇を代表する画家たちの自画像約60点を紹介します。