かつて佐倉は城下町として栄え、文武両面にわたる文化があり、これまでに優れた業績を残した先覚者を数多く輩出しました。
美術の分野では、どのような作家がいるでしょうか。明治に活躍した浅井忠(1856年~1907年)は日本近代洋画の先駆者として知られています。浅井の弟子の中にも佐倉と関係の深い作家たちがいます。都鳥英喜(1873年~1943年)と倉田白羊(1881年~1938年)です。都鳥は関西での洋画の発展と画壇の形成に功績を残し、倉田は明治から昭和初期にかけて展覧会に出品する一方、子どもたちの自由画教育や農民美術の普及に尽力した洋画家です。また、日本近代工芸を代表する鋳金家である香取秀真(1874年~1954年)と津田信夫(1875年~1946年)、人形作家として初めての重要無形文化財保持者(人間国宝)となった堀柳女(1897年~1984年)など、佐倉市立美術館所蔵品の中から地域と関わりの深い作家たちをご紹介します。