泉屋博古館は、住友家の蒐集した美術作品の保存、研究、展示を目的とする美術館として昭和35年に京都に開設され、さらに平成14年には、六本木に泉屋博古館分館を設置し、東西において充実した美術館活動を行なってまいりました。また住友グループの文化的象徴、文化発信の場としての面でも大きな役割を担ってまいりました。
本展覧会は、その住友グループ各社が所蔵する名画、それらは、普段、公開される機会が稀な作品ですが、洋画における静物画―花―、日本画の花鳥画をモティーフとした視点から作品を選択し、構成されたもので、企業によるメセナの一形態といえましょう。
出品される画家は、洋画家としては、明治・大正期の巨匠、黒田清輝、明治・大正・昭和戦前期の巨匠、和田英作、昭和戦後期に梅原・安井時代を築いた梅原龍三郎、安井曾太郎、色彩の抒情画家、岡鹿之助ら、日本画家としては、新古典主義の安田靫彦、前田青邨、青龍社創設の風雲児、川端龍子、鬼才と呼ぶのがふさわしい速水御舟、戦後の日本画壇をリードした理知的な杉山寧らが挙げられます。
拝見することの少ない作品ゆえに「秘密の花園」を垣間見るような展観と申せましょうか。皆様のご静鑑をお待ちしております。