全国を旅してきた原田泰治が、今描こうとしているのは自分のふるさと・信州。平成の合併前の120市町村を描きつくすことがこれらの仕事だといいます。画家としての出発点も、信州の風景でした。画家を志し、幼い頃暮らした伊賀良村(現:長野県飯田市)の思い出を描いていた30代の始め、友人から「思い出ばかりでなく、素晴らしい現在の信州の風景をなぜ描かないのか」と言われた事が大きな転機となって、伊那谷や、諏訪湖、戸隠のそば畑などを訪ねました。それが、現在まで続く"原田泰治の世界"の始まりとなったのです。今展は、原田泰治の原点でもある初期の風景画から最新作まで、これまでに描き上げた信州の風景を特集します。