墨にこだわりつづけた孤高の画家釘宮對宕の展覧会を開催します。
對宕は1920年(大正9)現在の臼杵市に生まれ、大分の小学校に通い、少年時代を京都で過ごします。寺院を巡って古画を模写した京都での体験は、その後の芸術活動に大きな影響を与えました。第二次世界大戦後大分に帰郷して十年余りの教員生活を送った對宕は、39歳のとき横浜に移ります。そして1970年(昭和45)、初めて渡欧した對宕は水墨画でヨーロッパの風景を描き、以後1986年(昭和61)に死去するまで、裸婦など新たな画題を水墨画で描く野心的な試みを続けました。
本展覧会では、釘宮對宕の画業を大分市美術館所蔵作品のほか個人所蔵の作品も含めて彩色画、水墨画、墨彩画、油彩画など約60点で紹介します。