上野憲男は、栃木県那須にアトリエを構え、独自に制作を続けている画家です。画面を青く塗りこむ作品が多いことから「青の画家」と呼ばれ、国内外で高い評価を得てきました。
深みを帯びた色彩の中をアルファベットや幾何学模様が自由に飛び交う上野の作品は、詩的叙情性に富み、わたしたち鑑賞者に豊かなイメージを喚起させます。
近年、従来の上野作品の特徴であったブルーグレーの世界から「原色」へと新しい表現手法を切り開いた上野憲男。赤・黄・緑・青などキャンバスに散りばめられた明るい原色と上野の得意とする複雑なマチエールが融合し、その世界観により深い味わいを与えています。
本展では、6mにも及ぶ大作や、鮮やかな原色が圧倒的なエネルギーを発するUENO NORIO BOXシリーズなど、2009年から5年間にわたって制作された作品の中から厳選した新作約100点を展覧いたします。80歳を過ぎても精力的に活動し、未知なる可能性に挑み続ける上野憲男の作品を、この機会に是非ご高覧下さい。