今週から、共にパンリアル美術協会で活躍した三上誠と星野眞吾の二人展を開催しております
パンリアルとは
1948年3月、三上誠がパン=汎、狭義のリアリズムではなく、現代を表現する限りにおいてはアブストラクトをも含む広義な内容を期待して命名。
戦後、三上と星野を中心に花鳥風月的なイメージから日本画変革をめざして前衛美術団体が結成されました。
三上は新しい日本画の創造をめざし熱心に研究を重ねる一方で、十代に発症した肺結核と闘い続けました。
度重なる苦しい手術の結果は良いものではなく、西洋医学への不信感から東洋医学や灸、仏教の輪廻転生説などに関心を持つようになります。
1965年以降は「灸点星座4」のように制作にも反映され、人体解剖図に灸点や仏教要素がみられるようになります。
去年3月の「モノクロームによる星野眞吾展」で人拓シリーズをご紹介しましたが、今回はカラー版を展示しております。
人拓に巻かれたビニールやガラスがリアルに描かれていて立体的に見えます。
1972年、三上が亡くなり星野も1977年にはパンリアル美術協会を退会。
以後は1974年に結成した人人会などで日本画の改革を進めていきました。
戦後の美術を支えた二人の作品を「日本画」という枠にはまらない目でご覧になってみて下さい