タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムは、3月9日(土)から4月6(土)まで、フランシス・ベーコン展を開催いたします。本展では、ベーコンが制作の重要なイメージソースとして使用した写真のコンタクトシート合計11点を展示いたします。
ベーコンが制作に当たって生身のモデルよりも写真を参考にしていたことは、よく知られています。John Deakinをはじめとする写真家に撮影を依頼することもありましたが、当時ニューヨークで活動をしていた無名の写真家によって撮影された写真も多く残されています。それらのコンタクトシートからは、エドワード・マイブリッジの写真を彷彿とさせるような連続写真を撮影していたことが分かりますが、同時にベーコンが持っていた人体への特異な視線も窺い知ることができます。1974年、ベーコンは写真の使用について「私はイメージを写真とは非常に遠く、区別されたものとして扱いたいと思っている。私は、写真を外国語の辞書を使うように利用しているだけである。」とも語っており、ときにはそれらに直接書き込みを入れ、作品の制作アイデアを練っていました。
これらの貴重なコンタクトシートの一部は、ロバートソン・コレクションとして保管されてきました。ベーコンのスタジオで電気工として働いていたマック・ロバートソンは、ベーコンが処分しようとしていた作品に加えコンタクトシートや日記等の資料を譲り受け、長らく保管していましたが、その後売却にいたります。本展で展示されるコンタクトシートもロバートソンが譲り受けた資料の一部です。
なお、2013年3月8日(金)から5月26日(日)まで、東京国立近代美術館にて、ベーコンの没後アジアでは初めてとなる回顧展「フランシス・ベーコン展」が開催されます。展覧会詳細については、同展特設ウェブサイト(http://bacon.exhn.jp)をご覧ください。