靉光は明治40年(1907)に広島に生まれました。本名は石村日郎。大阪で絵を学んだ16歳頃から靉川光郎と名乗り、やがて靉光(あいみつ)と称するようになります。大正13年(1924)に上京して太平洋画会研究所に通い、本格的に画家として歩み始めますが、靉光が絵画制作に打ち込んだ時代は、日本が戦争に向かって歩んだ時期でもありました。戦争が人々の生活に暗い影を落としていく中、靉光は画家としてひたむきに生き、飽くことなく表現への探求を続け、独自の世界を築きます。
本展は、靉光の才能の萌芽が認められる少年時代の作品から習熟期ともいえる太平洋画会研究所時代の作品、現実を超えて不思議な植物や虫たちの世界を創造した一連の作品、そして晩年の自画像まで83点の作品で靉光の画業を振り返ると同時に、戦時下の過酷な状況にあってなお制作発表の場を持ち続けた「新人画会」のメンバー、井上長三郎、鶴岡政男、大野五郎、糸園和三郎、寺田政明、松本竣介、麻生三郎の作品43点をあわせて展示し、新人画会展の再現につとめながら、靉光が生きた時代と交友をたどります。
《関連イベント》
■ アート・シアター 劇団銅鑼公演
● 日時:3月17日(日)開場 15:30開演16:00
● 会 場:当館ホール
「池袋モンパルナス」を演じた劇団銅鑼が、本展のために書き下ろしたオリジナル劇を発表します。
参加ご希望の方は往復はがきで①ご住所、②お名前、③電話番号をご記入のうえ、〒020-0866 岩手県盛岡市本宮字松幅12-3岩手県立美術館 アート・シアター係 宛にお申し込みください。3月5日(火)必着。一枚のご応募で1名様のお申込みとさせていただきます。応募者多数の場合は抽選となります。
■ 講演会「靉光とその時代」
● 講 師:江川佳秀氏(徳島県立近代美術館主任学芸員)
● 日 時:3月10日(日) 14:00-
● 会 場:当館ホール
聴講無料です。座席は先着順です。
■ ギャラリートーク
● 日 時:3月1日(金)、3月15日(金)、3月29日(金) 14:00-
● 会 場:当館企画展示室
参加無料ですが、本展観覧券が必要です。