この度、ギャラリーヤマグチクンストバウでは、1月の展覧会として、三浦洋子個展「Recent Works」を下記の通り開催致します。
三浦洋子の作品の魅力は、視線が宙を漂い、中性的で幻想的な空気感を持つところにあります。
作品の構造が、パネルに薄い布(オーガンジー)を重ね、さらに絵の具を重ね、モアレ現象を生じさせる事ことから、よくモダニズム絵画の文脈で語られます。しかし作家の意識としては、様式主義に則った絵画の前進というより、むしろ、日常の中で体感する感覚や風景の記憶を、画面の中で再現し(それがとても繊細で、禁欲的な表現なのが特徴です)見る人の感覚と交差することを試みています。
多くのものと情報に囲まれている現代社会では、無意識のうちに、繊細で豊かな感覚を見失ってしまいますが、三浦洋子の作品には、その感覚を呼び起こす力を秘めています。
本展では、VOCA展2012に出品した2×1.2mの大作を中心に構成します。関西では初めてご覧頂く機会でもあり、モアレの知覚が、身体的スケールで体験できるのも見所です。是非多くの方にご高覧頂ければ幸いです。