「吾々はいたずらなる論議よりもまず行動、黙々とこの道を邁進し、新しい時代に適合する新生日本美術を樹立する。」この言葉を結成の辞として行動美術協会は生まれました。
それは終戦の年、新たな日本芸術の黎明期を迎える頃。
講釈、能書きの前にまずは行動、不言実行の精神だったのでしょう。
以後彫刻部も新設し、徐々に出品作品はメッセージ性の強い中小傾向が多くなります。
やがてこれが会としての、ひとつの特色になっていくのでした。
1945年の結成から67年間の紆余曲折を経た現在、行動美術協会は広大な国立新美術館の空間を舞台に絵画、彫刻、インスタレーションの大作を並べ、多くの洋画団体とは趣を異にした展覧会「行動展」を実現しています。
そしてそこには揺るぎない創設時の精神が見られます。
この度の「行動展の力 Vol.1」は、この「行動展」の中からREIJINSHA GALLERYが選抜した高い実力を持つ画家たちのシリーズ展です。
共通頂はこの芸術的主張の強い「行動展」の旗標に集まった画家たちであるということだけ。
近堂隆志(北海道)菅沼鉄王(愛知県)富永幸子(福岡県)山脇勇大(東京都)吉松陽子(兵庫県)の5名は、それぞれ生まれも違えば、個性も感性も全く違うユニークな画家たち。
しかしこの会の精神を継承し、新しい芸術の創出に対する強靭な想いを同じくする画家たちなのです。
作品から彼ら個々の深い想念を感じとっていただけたら幸いです。