シュウゴアーツでは、イケムラレイコの個展「銀のほのお」を開催いたします。
Memento Moriと名づけられた陶作品のシリーズは、昨年から数回に渡りイケムラが滋賀県立陶芸の森に通い制作しました。横たわる少女の陶作品は、プラチナ釉薬を纏い妖艶に輝きます。その姿は花のつぼみのようにも見え、流蜜期を終え枯れゆくのか、あるいはこれから大きくぷっくりと咲き誇るのか、いずれのようにも捉えられる様は、生と死を同時に孕んでいます。
「カルペ・ディエム 花として今日を生きる」というテーマで今夏豊田市美術館にて開催された展覧会に出品されたこれらの陶作品は、人の命の短さや儚さよりも、死を意識してこそ輝く“命の炎”を、灼熱の釜の中から生まれた自らの陶作品を見せることで伝えたいと強く願ったであろうイケムラの魂を感じる作品です。“炎のゆらぎ”を“生と死のゆらぎ”に置き換え、常にその境界線を行ったり来たりすることによって立ち現れる姿を可視化したそれらの陶作品は、今回の展覧会に出品されている水平線の絵画作品3点とも呼応します。