江戸時代に江戸と京を結ぶ主街道として整備された東海道は、今日でも交通や物流の大動脈として、私たちの生活を支えています。
この東海道に整備された53の宿場を東海道五十三次と言います。各宿場ごとの風景や風俗は、浮世絵の恰好の題材となりました。
天保3・4(1832・3)に発表された歌川広重の東海道五十三次之内(保永堂版東海道)は、宿場ごとの風景が生き生きと描かれ、人々の旅こころを誘い爆発的なヒット作品となりました。以来、東海道は広重・北斎などの浮世絵作家の代表的な作品の題材となり、多くの作品が現在に伝えられています。掛川市には、日本橋から数えて26番目の日坂宿と、27番目の掛川宿がおかれました。日坂宿は小夜の中山の夜泣き石が、掛川宿は秋葉神社の鳥居が代表的な題材として多くの浮世絵版画に描かれました。
今回の展覧会では、様々な浮世絵作家が描いた日坂・掛川の作品を展示します。浮世絵をとおして江戸時代の日坂・掛川がどのようにイメージされていたかを見比べてください。