この度、セゾンアートプログラム・ギャラリーでは、関西を拠点として活躍する平面作家、児玉靖枝の個展を開催いたします。‘86年より静物画を描いた作品により発表をスタートさせた児玉は、‘90年代に入り、力強いストロークによる抽象絵画で多くの注目を集め、数々の展覧会で発表を重ねてきました。近年、具象性の強さを自己の絵画制作の重要な要素と考え、具体的なモチーフを描くことを始めています。児玉によって描かれた、花、葉、カーテンといったモチーフは、その画面の中で、陽光や空気感を湛えた瑞々しい絵画となって姿を現します。私たちは、児玉が絵画で捉えた現実の空間を、絵画とキャンヴァスという物質を通じて感じることができます。観る者の視線を考慮した画面の構図や展示方法は、私たちの視線を、作家の視線とへと誘導するかのようです。東京では4年ぶりの個展となる本展では、新たな展開をはじめた近年の代表作と新作を含む約10点を展覧致します。 <略歴> 1961年 神戸生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科油画科油画専攻修了。現在、成安大学講師。主な展覧会:「VOCA展」(94,96,97,98年)、「視ることのアレゴリー 1995:絵画・彫刻の現在」(セゾン現代美術館)。「絵画の方向」(大阪府立現代美術センター)、「現代日本画の展望」(99年、東京ステーションギャラリー)他。