当館では従来より地域ゆかりの美術家を紹介していますが、本展では、浦和近辺の風景を主テーマに据え、昨今流行の「ぶらり・まち歩き」の趣向で展示します。
浦和地域には、明治期より、埼玉県庁をはじめとした数々の洋風建築が建てられてきました。中でも、学校や図書館など近代的教育機関が早くから充実したため、文教地区のイメージが築かれました。一方で、比較的近年まで大規模な都市景観とはならず、街中を過ぎればすぐに昔ながらの家々や、田畑、樹木など、のどかな生活風景に出会うこともできました。
そのような浦和を、美術家はどう描いてきたのでしょうか。それぞれの作品をめぐり歩くように味わいながら、美術家の見つめた場所、人、建てもの、動植物、そして想いに足を止め、作品に宿る新たな魅力を発見していただければと思います。 (Y.S.)