エルンスト・クライドルフ(1863-1956)はスイスの国民的な絵本画家です。スイスのベルンで生まれたクライドルフは、幼い頃から自然を愛していました。画家を目指し、苦労の末ドイツの美術学校で学びますが、体調を崩しアルプスで療養しました。その地で彼はアルプスの自然、特にそこに生きる小さな花や昆虫の命にまなざしを向け、絵本制作に目覚めました。彼の絵本の中には、擬人化された草花や虫たち、小人たちが登場します。クライドルフがつむぎだした詩情あふれる物語の中で、絵本の主人公たちは楽しくいきいきとしています。本展覧会は、クライドルフ協会・クライドルフ財団の全面的な支援を受け、ベルン美術館に保管されている約100年前の絵本原画を中心に水彩や版画、油彩など約230点を展示します。クライドルフが本格的に日本で紹介される初めての展覧会をどうぞお楽しみください。