大気や光の変化により常にその色や形を刻々と変えながら、美しい自然の表情を生み出してゆく雲は、絵画作品にも多く取り上げられ、画面に様々な表情や雰囲気を醸し出しています。
横山大観は、天候や朝夕の時間により変化する大気を没線描法を使って巧みに表現し、小林巣居人は、霞ヶ浦の景観と雲を装飾性豊かに描いています。また水彩画家の小堀進は、雲そのものを主題とし、そこに生まれる一瞬の形と光がつくりだす自然美を大胆な筆致で描き出しています。このように雲は、大自然の象徴として画中に様々な形で登場しながら、名脇役、あるいは主役としての役目を果たしているといえます。
本展は、茨城県が所蔵する作品の中から日本画、油彩画、水彩画等23点を展示し、雲の描かれた作品の魅力を紹介します。