「D&AD賞2012展」開催にあたって
英国の非営利団体D&ADは今年で創設50年を迎え、9月18日に50周年を祝うガラが開催されました。その席上、例年は春に贈賞される最高賞のブラック・ペンシルの受賞作が発表され、会場は一段と熱気に包まれたにちがいありません。
D&AD賞は、イエロー・ペンシルの名で親しまれ、世界のデザインおよび広告賞の中でも審査の厳しさで定評があり、卓越したクリエーティブにのみ授与されます。しかし、そんなイエロー・ペンシルの中から、さらに革新的で次の時代のクリエーティブを切り拓くようなアイデアにのみ、ブラック・ペンシルの栄誉は授けられるのです。
記念すべき50周年のブラック・ペンシルは、内戦下の「コロンビアのクリスマス」をテーマにした社会的キャンペーンが受賞しました。
D&ADは、世界中のデザインおよび広告に携わる人々に、クリエーティブとコミュニケーションの力によって世界をより良くしていこうとアピールしていますが、本年のブラック・ペンシル受賞作は、まさにD&ADのメッセージに重なるものといえましょう。
本展は、ブラック・ペンシル、イエロー・ペンシルおよび学生賞の受賞作、そして、ノミネーションから選りすぐりの作品をご紹介いたします。
アド・ミュージアム東京
館長 松代隆子