(財)常陽藝文センターでは、郷土作家展シリーズ第221回として、『サカイメ・二・アルモノ 國司華子展』を開催いたします。
日本画家・國司華子さん(かすみがうら市在住)は確固たる存在感を放つ人物像や、自由奔放でウィットに富んだ猫の図を制作し、国内外で幅広く作品を発表してきました。
國司さんの人物モチーフは女性、男性、子どもと多岐にわたりますが、どの人物にも相反する魅力が共存しています。女性的な美しさと少年のような気ままさ、繊細さと男性らしさ、子供らしい無邪気さと謎めいた微笑。まっすぐに投げかけられた彼らの視線は、何かを訴えかけているようでいて、問いかければふいと拒絶されてしまいそうでもあります。作品中の人物は性別や年齢、あらゆる固定観念を軽やかにすり抜け、その境目にあって観る者を心地好く翻弄します。
また近年では猫をモチーフとすることも多く、時に野生的で、時に知性的な表情や、リラックスしたユーモラスな姿態など、目まぐるしく変わる猫の魅力を余すところなく表現しています。
國司さんは東京芸術大学大学院で平山郁夫教室に学び、現在は霞ヶ浦を望むアトリエで制作を続けています。遊び心のあるタイトルや意表をついた技法で展開される独自の作品世界は、従来の近代日本画の枠にとどまらず若い世代にも高い人気を得ており、また雑誌などの挿絵でも活躍しています。
今展では、前期に日本画の作品を、後期にドローイング(素描)を中心に展示いたします。またロビーにて、“クニシハナコ的作品世界”を垣間見るビデオを放映いたします。