オールドノリタケの「デコレディー」
秘蔵のコレクシコンを初公開
「ノリタケ」は広く知られている日本の洋食器・陶磁器メーカーです。その初期の輸出用陶磁器は欧米、特に第一次世界大戦時のアメリカで受け入れられて親しまれました。アールヌーヴォーやアールデコといった当時の華やかなデザインに彩られた製品は今日「オールドノリタケ(Early Noritake)」と呼ばれて美術工芸品としての高い評価を得ています。
本展では、なかでも1925年を中心に、前後合わせて約10年間に製造されたといわれる、当時のファッション誌に見られるような女性をモチーフとしたアールデコスタイルの絵皿や小物入れ、フィギュアを中心に、アールヌーヴォースタイルの作例をあわせて紹介します。
今回の展示で最も注目されるのは「デコレディー」と呼ばれる作品の豊富さです。日本の産業史の中で近代輸出陶磁器に登場した愛らしい女性たちは、第二次世界大戦をはさんで長い間忘れられた存在でしたが、20世紀末に再発見され、今日、多くの愛好家を魅了しています。また本展覧会の出品作品は国内の個人によるもので、これだけの「デコレディー」が日本で、一人のコレクターによって収集されたものであることも特筆されるでしょう。秘蔵のコレクション、その初公開となります。里帰りした「オールドノリタケのなかの女性たち」の姿をお楽しみください。