西暦752(天平勝宝4年)4月9日、東大寺大佛の開眼供養が行われました。それから1250年、現在に至るまで、大佛は日本人の心のよりどころとして、また文化の象徴として存在してきました。杉本画伯は東大寺をこれまで60年余の長きにわたって描きつづけ、東大寺のために散華を描くなど、東大寺や大佛との縁はとても深いものがあります。
そんな杉本画伯の描いた東大寺のさまざまな情景を今回、常設展示室で開催します。
東大寺の絵を数多く描き続けてこられたのには東大寺、とりわけかつて管長であった上司海雲の援助がありました。海雲師は「壷法師」の異名をもち、歌人・吉井勇は「みほとけの次には壷をよろこべるわが海雲は壷法師かも」とよみました。
杉本画伯も、この海雲の影響をうけ、壷を描くようになり、現在に至っています。特別企画「壷」ではこんな作品のいくつかをご紹介します。
これとともに館内には、杉本画伯の手による焼き物の壷があちこちに展示してあります。