" 文化財には、有形と無形の2種類があり、有形文化財が建築物や美術工芸品(絵画、彫刻、工芸品、書跡など)といった作品そのものであるのに対し、無形文化財は、演劇、芸能などの技芸をはじめ工芸作品の制作技術といった「技」を指し、特に価値の高いものを重要無形文化財に指定し、その「技」の持ち主を重要無形文化財保持者、いわゆる""人間国宝""と称しています。
また、文化財保存に必要な素材や道具、例えば漆工芸制作に欠かせない漆刷毛や蒔絵筆を作る技術、染織に必要な日本古来の植物染料の生産技術なども、守り伝えていくべき技術として「選定保存技術」に選定し、国では保護に努めています。本県では、これまで「雁皮紙」(安部榮四郎氏)と「石州半紙」(石州半紙技術者会)が重要無形文化財指定に、「玉鋼製造(たたら吹き)」が選定保存技術に選定され、今日に受け継がれています。
この度の展覧会では、陶磁器、染織、漆工芸、金工、木竹工、人形、手漉和紙などの工芸分野の重要無形文化財保持者136人の作品約170点をはじめ、13の保持団体による作品21点、選定保存技術の関連資料などを一堂に展観し、人間国宝による優れた工芸美とその技術を紹介します。(染織作品は作品保護のため会期中展示替えを行います。 )"