展示室にそっと置かれた作品のひとつひとつには、「いま、ここに」至るまでの長い物語があり、また「いま、ここで」作品の前に立って見つめるひとりひとりとのあいだに新しい物語が生まれます。長い年月をかけて多くの人々の「眼」によって価値を認められ、つたえられてきたもの。そして、現代の私たちの「眼」が新たに意義を認め、後世につたえようとするもの。美術館は、かけがえのない作品と、それを人類の文化として伝えていこうとする多くの人々の思いや尽力によって成り立っています。
この展覧会では、1970年の設立から今日まで、独自の展覧会活動を通じて形づくられてきた当館コレクションを、11のセクションを設け、学芸員全員がそれぞれを担当して独自の視点で紹介します。11の小さな展覧会によって、その時・その場でしか体験できない作品との「一期一会」をお楽しみいただきます。