こどもの ころから
えが すきだった いのくまさん
おもしろい えを
いっぱい かいた
こんな書き出しではじまる絵本『いのくまさん』(2006年/小学館)。猪熊弦一郎(1902-93年)の作品を、詩人・谷川俊太郎のことばで紹介するこの絵本から、本展は生まれました。
猪熊は常に未知なるものに出合うため、パリ、ニューヨーク、日本、ハワイへと活動の拠点を移しています。それぞれの環境で風土や社会の影響を受け、マティスやロスコ、イサム・ノグチなどの芸術家と交流しながら、具象・抽象を超えた生命力あふれる作品を制作しました。
本展では、猪熊が好んで描いた「かお」「とり」「ねこ」といったモティーフや、「いろ」「かたち」といった特徴にスポットを当て、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館が所蔵する約120点を親しみやすく紹介します。また、針金で作られた昆虫のような「対話彫刻」や日々の生活の中で収集された素朴で愛らしいオブジェも「おもちゃ」として展示します。
谷川俊太郎のリズミカルなことばに導かれながら、猪熊ワールドを巡る旅に出かけてみませんか。少年のような遊び心を持った「いのくまさん」にきっと出会えるはずです。