昨年の震災以来、私たちはよリ強く人と人とのつながりや地域の大切さを意識するようになっています。古くから代々住み続けた愛着ある土地や人のぬくもりの大切さを、先端メディアを駆使して作品化するイタリアの現代作家、それがスタジオ・アッズーロ(1982- )です。当館の“開館25周年記念プレ特別企画”である本展は、スタジオ・アッズーロ結成30周年を記念する機会にあたり、また日本国内では、ほぼ10年ぶりの開催となります。
今回は、日本初公開の「語り部(都市シリーズ)」から、イタリア各地の町やアメリカの古都サンタフェに取材し、そこに住む人たちの語りを拾って綴った2つの映像インスタレーション《センシティヴ・シティ》、《第四の梯子》の展示に加え、モロッコを主題とした《センシブル・マップ》を含む3作品の上映を行います。また、子供のために創られた映像インスタレーション《水たまり》、さらに結成30周年を記念して初期の代表作である《泳ぐ人》も紹介します。今日の先端技術により、「触れる・聞く・見る」という身体の基本的な動きによる鑑賞を実現するスタジオ・アッズーロの世界をご堪能ください。