「放浪の天才画家」「日本のゴッホ」「裸の大将」と呼ばれ、今もなお親しまれている山下清の本格的な回顧展を開催します。
幼少時の大病がもとで軽い知的障害となり、千葉県の養護施設「八幡学園」に入園した山下清は、そこで貼絵の制作に才能を発揮し、注目を浴びるようになりました。しかし、18歳からの約14年間は、日本各地を放浪しては、学園に戻るという生活の繰り返しでした。学園では、放浪中の思い出を貼絵によって色鮮やかによみがえらせ、数々の傑作を生み出しました。
本展では、学園生活の中で貼絵の技術や表現力を進歩させていく①「貼絵との出会い」、放浪中、そして放浪を終えた後も旅行先の感動をつづった②「日本の旅」、昭和36年のヨーロッパスケッチ旅行によって描かれた③「ヨーロッパの旅」と3つのテーマに沿って、山下清の画歴を貼絵116点、油彩8点、水彩11点、ペン画10点によって展覧いたします。また、貼絵作品の修復は非常に難しくまれであることから、本展にさきがけて行われた修復作業をご紹介するコーナーも設けました。
どこか懐かしく、暖かな雰囲気がただよう山下清の作品の世界をどうぞお楽しみ下さい。