佐脇健一(1949年、大分県生まれ、彫刻家)は、東京芸術大学大学院修了の1977年から、一貫してブロンズや鉄等を素材として、空間的な広がりを持つ「風景彫刻」に取り組み、1980年代半ばには、鉄塔、配水塔等の開発の痕跡を荒涼とした「廃墟」の風景として表現。1988年からは、『表相―炉心の構造』(1989年)等で原子炉、プルトニウム貯蔵施設等を未来の「廃墟」として再現しました。
また、モノクロ写真に青色の油彩で彩色したフォトドローイング、クルミの木で作った箱に塔などの小品を入れたウッドワーク、作品を環境と関連付けて展示するインスタレーション、映像作品など、表現は多様化しつつ、現在も新たな展開を遂げています。
今回の展覧会では、大型の新作インスタレーションをはじめ、「風景彫刻」などの立体、フォトドローイング、映像、ウッドワークなどの作品100余点により、佐脇が今に問いかける「世界」を紹介します。