大正15年に上野公園に生まれた東京都美術館は、全国の美術家たちの新作発表の場、世界の名品や現代美術と出会える場として歩んできました。これまで当館で発表された作品を改めて展示すると、日本の近現代美術の軌跡が鮮やかによみがえります。
この展覧会では、近現代の「ニッポン・アート史ダイジェスト」として、美術館を舞台に活躍した作家を紹介します。また、生みの親ともいうべき実業家・佐藤慶太郎、旧館・新館を設計した建築家の岡田信一郎と前川國男など、ゆかりの人たちにも光を当て、この美術館の生い立ちを紹介します。今回のリニューアルオープンを機に「アートへの入口」をめざす東京都美術館の将来を見すえながら、86年にわたる館の歴史を振り返ります。