- タイトル等
向井潤吉とふるさと・京都
「毎年正月近くになると、無性に、京、奈良の空と風土が恋しくなって出かけてゆく。」
- 会場
- 世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館
- 会期
- 2012-12-11~2013-03-20
- 休催日
- 毎週月曜日(ただし、祝・休日と重なった場合は開館、翌日休館)、年末年始(12月29日~1月3日)
- 開催時間
- 10:00~18:00
入館は17:30まで
- 観覧料
- 一般200(160)円、大高生150(120)円、65歳以上/中小生100(80)円
*障害者の方は100(80)円。ただし障害者で小・中・高・大学生、および障害者の介護者(当該障害者1名につき、1名に限る)は無料。
*( )内は20名以上の団体料金。小・中学生は土、日、祝・休日は無料。
- 概要
「毎年正月近くになると、無性に、京、奈良の空と風土が恋しくなって出かけてゆく。」
京都は、そう語った向井潤吉(1901-1995)の故郷(ふるさと)です。父は宮大工として仕事をした後、10人近い職人を雇って輸出向けの刺繍屏風や衝立の製造を営みました。
京都市立美術工芸学校に進学した向井は、油絵への憧れから、親の反対を押し切って学校を中退し、市内にある関西美術院で本格的に絵画を勉強することになります。1921年に大阪の髙島屋呉服店の図案部に勤務するまでの多感な青年期を京都で過ごしました。
戦後、民家をもとめて全国を回った向井は、冬になると毎年京都を訪ね、大原や嵯峨を好んで歩きました。火鉢で手を暖めながら絵筆をとり、現地の人たちと言葉を交わしながら刺身や豆腐などを食すのが、また楽しみのひとつだったようです。
向井自身が記した「制作日誌」(1961年から1988年まで)によれば、この間に描いた油彩画は1070点に及びます。そのうち138点が京都で描かれ、12月が41点と最も多い制作月でした。京都は、埼玉県(340点)、長野県(205点)に次ぎ向井が好んだ制作地なのです。
《大原新雪》《比良春雪》の大原、《奥丹波の秋》《丹波下山の部落》の丹波、《渡月橋々畔》の嵯峨などは、少年時代に過ごした懐かしい原風景としての故郷(ふるさと)であるだけでなく、画家を志して関西美術院で素描の基礎をみっちりと学んだ画業の故郷(ふるさと)だといえましょう。本展では、奈良や滋賀など近隣の風景も集め、向井が撮影した民家の写真などもあわせてご紹介いたします。
- ホームページ
- http://www.setagayaartmuseum.or.jp/annex/exh_detail.php?id=mk_exh00009