「Future Beauty」展は日本ファッションが持つ創造性と、その力強いデザインに潜む文化的背景に焦点を当てた展覧会です。
20世紀後半、日本のファッションは、日本経済の成長と共に世界に羽ばたき、その独自性を開花させました。1970年に始まる高田賢三、そして三宅一生、続く80年代の川久保玲や山本耀司等の活躍は、ファッションの可能性を大きく広げ、西洋の美意識の枠内に留まっていたファッションの創造性の扉を広く世界へと開いていきました。
自由で創造性あふれるスタイルを生み続け、着ることの新たな意味を提示する〈クールな場〉として、常に世界の視線を集め続ける日本。日本ファッションの真髄とその力とは何か、私たちと服との関係がこれからどのように変化するのか、2012年改めて考案します。
本展は2010年にバービカン・アート・ギャラリー(ロンドン)、2011年にハウス・デア・クンスト(ミュンヘン)で開催され、高い評価を得ました。この度の東京都現代美術館での展示は海外巡回の内容に加えて「日常にひそむ物語」というセクションを新たに設け、今後の方向性を示唆する若手のファッションデザイナーの作品も併せて紹介します。
80年代の「脱構築と革新」から、90年代の“生きるコンセプトを「Attitude(態度)」として見せる世代の表現”を経て、2000年代の食べる、眠る、友人とおしゃべりをするといった“日々の行為=「Behavior(ふるまい)」をもとにした「共感」世代のデザイン”。30年にわたるこれらの変遷を通覧することで、日本ファッションの未来性がみえてきます。