小村雪岱(こむらせったい、1887-1940)は、大正時代から昭和の戦前にかけて装幀、挿絵、舞台美術や商業広告などの幅広い分野で活躍しました。1914(大正3)年に出版された泉鏡花の『日本橋』で装幀家としてデビュー。以降、多くの装幀を手がけ、その才能を開花させました。その後、舞台美術や新聞・雑誌の連載小説の挿絵の仕事にもたずさわり、人気を博します。
本展では、雪岱のデザインカが遺憾なく発揮された装幀本を中心に、挿絵下図や舞台装置の原画など約200件をご紹介します。各界の著名人たちとの交流の中で生み出された雪岱の作品は、江戸情緒とモダンが共存する印象的なものばかりです。
今も清新な輝きを放つ、その魅力をお楽しみください。