近代以降、アイヌの人たちを取り巻く社会環境は大きく変化しましたが、北海道の地に長い歴史を持つアイヌ文化は、現代に連綿と引き継がれています。この展覧会では、現代という時代の中で、表現の幅を広げつつあるアイヌ民族の美の世界を川村則子、チカップ美恵子、床ヌブリ、藤戸竹喜など、現代作家の作品100点により紹介します。あわせて、19世紀から20世紀にいたる伝統的なアイヌ工芸の粋、約160点を紹介し、アイヌ文化が時代とともにどのような表現世界を拓き、どのような精神文化を伝えてきたかを展望します。また、貴重な木彫り熊コレクションや、木彫り熊のルーツのひとつとなる熊の装飾のついた冠やイクパスイなどを紹介します。