藤原洋次郎のハンカチ・アートはミレニアムの2000年に英国グリニッジ天文台と明石市立天文科学館が連携した「子午線パフォーマンス」に始まり、多くのミュージアムを覆ってきた。藤原は「ハンカチ・アートは芸術ではない」と語る。それは「芸術の枠を超えている」という自負である。一つのプロジェクトに何万枚ものハンカチが繋がれるために膨大な準備と作業が行われ、数日で解体され、映像としてしか残らない。ハンカチは半価値でしかなくとも、提供し、参加する者にとっては「旗」となる。その旗を記憶として胸に掲げ、芸術を超えてアートとともに生きる。その溢れるばかりの命の躍動をインスピレーションとして作品とした藤原洋次郎のギヤラリー島田での初個展です。 島田 誠