ご挨拶
世界的に経済状況が低迷し、政治の面でも変化の激しい年となっておりますが、今年も7月23日より13回目となる「新世代への視点2012・画廊からの発言」展を開催いたします。本展は東京銀座・京橋を中心とした12画廊の共同開催によるもので、各画廊が推薦する40歳以下の新鋭作家の個展を同時期に開催する展覧会です。本企画は、1990年当時日本でなかなか理解されなかった若い現代美術の作家たちへの支援と育成のために始めました。20年が過ぎて現代美術に対する認識は育って参りましたが、作家が制作を続けて行くための環境は未だに成熟した状況とは言えません。作品が流通するマーケットが必要ですが、彼らの作品を人々に紹介する美術批評家と、コレクターの存在なくして、アート・マーケットは広がって行きません。私共画廊はそれぞれアートフェアに参加したり、いろいろな面で作家の紹介とマーケットの開拓に努めておりますが、多くの方々のご協力無しには出来ることではありません。どうぞ私共の地道な努力をご覧いただき、皆様の生活に美術を取り入れて下さいますようお願い致します。
2011年3月11日の東日本大震災以降、美術に携わる者達のみなず、あらゆる分野の人々の意識が変化しています。そのことが一つの力となって、心の支えとなる確かなものが生まれてくることを願っています。
2012年7月
東京現代美術画廊会議一同